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[仏具辞典]香炉・香炉灰ってなに? 選び方やお手入れ方法を徹底解説

この記事では、香炉や香炉灰について詳しく説明しています。香炉とは、仏壇でお線香を焚くときや、葬儀・法事でのお焼香の際に使う器のことで、大切な仏具の一つです。今回はその種類や選び方、香炉を使う時に必要となる香炉灰について紹介します。

2023.07.24

こんにちは。富山県高岡市で仏像や仏具、美術工芸品の製造、卸売業を営んでいる本保です。私たちは、職人技が息づく伝統的な仏具からモダンな現代仏壇や手元供養の道具まで、種類豊富な商品を全国の皆さまにお届けしています。

このサイトでは、私たちの暮らしと共にある仏像や仏具について、わかりやすくご説明します。

 

皆さんは香炉(こうろ)をご存知でしょうか。仏壇のお線香立てと言うとわかりやすいかもしれません。法事などでお焼香をするときに使われる器も香炉の一つです。香炉にはたくさんの種類があり、仏具としてだけではなく、香道やヨガのほか、趣味としてお香を焚く際に日常に取り入れている方もいます。

 

仏教においてお香を焚くことは「仏の三大供養」の一つであり、お香を焚く器である香炉は、仏壇でも特に重要な仏具とされています。ここでは、主に仏壇で使う香炉と香炉灰の選び方やお手入れ方法と共に、おすすめ商品もご紹介していきます。

1.香炉の基本

1-1.香炉ってなに?

香炉はお香を焚く際に使用する器です。お寺でのお焼香の際には、右側に置かれたお香をつまみ、左側の灰と香炭の中に落として焚く器具として機能します。

 

仏教において香りは仏様への感謝の気持ちの表れであり、また、故人が極楽浄土に行くまでの食べ物であることから、四十九日の間お線香を絶やさないようにする風習があるとも言われています。

 

宗派によってお線香を立てる、寝かせる、お香をくべるなどの方法があり、お線香を立てる本数や位置にも違いがあります。近年取り入れる方の多い現代仏壇や手元供養向けの小さな香炉では、安全のために長い線香は折って使用することをおすすめしています。抵抗感を持つ方もいるようですが、お線香を折ること自体に問題はありません。

 

お香を焚くことには、その場所そのものやそこにいる人々の心身を清めるという意味合いもあるため、近年はお気に入りの香炉を日常空間に飾り、自宅でリラックスしたい時にお香を焚くという方も増えています。

1-2.香炉灰ってなに?

香炉灰とは、香炉の中に入れる灰のことです。香炉を使う際、そのまま差してはお線香が立たないため、香炉の中に灰を敷き詰めます。香炉灰には、お線香を安定させて、倒れたり、風で燃えカスが散ってしまったりするのを防ぐ役割もあります。

香炉灰には様々な種類があり、藁灰(わらばい)や籾灰(もみばい)など従来のもののほか、最近はビーズ状の天然石やクリスタル、ガラスなど、カラフルで扱いやすいものも増えています。特に天然石は、洗って繰り返し使えるという特徴だけでなく、ヒーリング(癒やし)効果も期待できる商品として注目されています。

香炉灰としてだけでなく、インテリアに添えたり、パワーストーンのように使ったりすることもできます。

1-3.香炉の置き方や置き場所は?

香炉は仏壇を飾る基本の三具足(香炉、花立、火立)のうちの1つで、仏壇中央に配置されます。3本足の香炉は、2本足を正面として仏様(奥側)に向け、1本足をお参りする人(手前側)に向けて置きます。

 

香炉は種類が豊富で、仏壇用として前香炉、土香炉、透かし香炉、玉香炉など、お焼香用として焼香用角香炉や火舎香炉などがあります。それらの種類や置き方には宗派によって違いがあるので、菩提寺や仏壇・仏具専門店に一度確認されることをおすすめします。

2.香炉の選び方

数ある香炉の選び方について、大事なポイントを3つ挙げました。

2-1.お香の焚き方

お香の焚き方は宗派によって異なり、香炉の形もそれに応じて様々あります。最近は安全面を考慮し、お線香を寝かせて焚く香炉(線香皿)を選ぶ方も増えています。線香皿は横長に平たい形状のため安定感があり、お線香が倒れる心配をする必要がありません。

2-2.デザイン

香炉の材質は陶磁器や金属、漆器、ガラスなど幅広く、デザインも豊富です。仏壇の大きさや置き場所、仏壇やインテリアとの印象を揃えて選ぶと、お部屋全体が統一されて見えるので、仏具を同じシリーズでまとめて揃えるのもおすすめです。

2-3.安定感

香炉は火を伴う仏具のため、安定感は大切な要素です。デザインが凝っていても、ぐらついたりする器や、お線香が立てにくい高さのものは避けた方がいいでしょう。小さいスペースに置く香炉を選ぶ際には、お線香が倒れないよう、深さが十分にあるものを選ぶと安心です。

3. 香炉・香炉灰のお手入れ方法

香炉は火を伴う仏具のため、安定感は大切な要素です。デザインが凝っていても、ぐらついたりする器や、お線香が立てにくい高さのものは避けた方がいいでしょう。小さいスペースに置く香炉を選ぶ際には、お線香が倒れないよう、深さが十分にあるものを選ぶと安心です。

3-1.灰と線香を分離させる

まず、灰の中の目立ったお線香の燃え残りやカスを、ピンセットや箸を使って優しく取り除きましょう。次に灰ふるい器や茶こしを使って灰をふるい、灰と燃え残りを分離させます。

3-2.香炉を洗う

香炉は水洗いしても問題ありません。金属製のものは、洗った後の水気をふき取りしっかり乾かして、錆びを防ぐことが大切です。こびりついた灰は水洗いだけできれいに落とすことができます。硬い金属たわしや研磨スポンジの使用は、傷を付けたり、色落ちの原因となったりすることがありますので避けましょう。

3-3.香炉灰の変え時を確認する

灰の変色や、こせないほど固くなりすぎていたり、塊ができやすくなっていたりした時は、交換のタイミングです。全ての灰を新しいものに取り替えましょう。

3-4.香炉に香炉灰を戻す

灰の中に空気を含ませるようにして、香炉灰をふんわりと香炉に入れます。最後に灰ならしで表面を整えて完了です。ビーズや天然石のものは、それぞれのお手入れ方法に従いましょう。

4. 香炉・香炉灰のおすすめ商品

モダンな現代仏壇やインテリアにも合わせやすいおしゃれな香炉や香炉灰を紹介します。

4-1.きざし

上下に異なるカッティングを施したエレガントな仏具シリーズです。周囲の光を取り入れて、豊かな表情を見せてくれます。前香炉は広口で灰がこぼれにくいデザインとなっており、真鍮製で錆びにくく、お手入れしやすいのも特長です。大きさは3種類あります。

 

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4-2.デイジー

有田焼ならではの柔らかな美しさが印象的な仏具シリーズです。コンパクトなつくりで、小型の家具調仏壇や手元供養にもおすすめです。香炉には通常の前香炉と、お線香を寝かせて焚く線香皿の2種類があります。各仏具の底にはシリコンを取り付けて、防滑加工を施しています。

 

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4-3.ゆうがを

曲線的なフォルムと優美な縁のデザインが特徴の仏具シリーズです。前香炉は広口でお線香が立てやすく安定感があり、汚れやすい部分もお手入れしやすい形です。真鍮製で大きさは3種類あります。豊富なカラーバリエーションを取り揃えたベストセラーです。

 

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4-4.机上香炉(重め)

シンプルなデザインで、仏壇に合わせやすい真鍮製の香炉です。割れにくさと安定感を備え、長くお使いいただけます。黒色と磨きの2種類は、いずれも落ち着いた色合いです。大きさは2.5寸(胴径7.7cm)から6寸(胴径18.6cm)まで、種類豊富に揃えています。

4-5.輝石の雫

天然石を砕いたビーズ状の香炉灰で、おしゃれな家具調の仏壇にも映える商品です。複数の石を組み合わせて、オリジナルの色味を楽しむのもおすすめ。石と接する部分のお線香は燃えにくくなるので、注意が必要です。灰の用途以外にも、パワーストーンや浄化石としてなど、幅広い用途で使うことができます。

 

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5.まとめ

今回は仏壇の中の大切な仏具の1つである香炉と香炉灰について、種類や選び方、お手入れの方法、おすすめの商品を紹介しました。

香炉の種類の多さや、宗派や地域の風習による違いについて、難しく感じる方もいるかもしれません。大切なのは、仏様や故人の供養のために日々お香を焚くことです。菩提寺や仏壇・仏具の専門店に相談しながら、仏壇やご自身の生活スタイルに合った、使いやすい香炉を揃えていってくださいね。

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