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お仏壇に供える花の種類は?仏花の選び方と飾り方の注意点

この記事では、お仏壇にお供えするお花について詳しく説明しています。大切なご先祖様や故人を丁寧にご供養するために、お花の選び方や飾り方を知っておきたいという方は多いと思います。お花をお供えする意味、お花を生けるための仏具である花立の選び方にも触れながらご紹介していきます。

2024.05.24

こんにちは。富山県高岡市で仏像や仏具、美術工芸品の製造、卸売業を営んでいる本保です。私たちは、職人技が息づく伝統的な仏具から、現代の住まいに合わせやすい手元供養の道具まで、種類豊富な商品を全国の皆さまにお届けしています。

こちらのサイトでは、私たちの暮らしと共にある仏像や仏具について、わかりやすくご説明します。

 

お仏壇に供えるお花は「仏花」と呼ばれ、故人に対する想いが込められています。お仏壇に供えるということで、構えて考えてしまう方もいるかもしれませんが、実は仏花には厳密なルールはなく、大切な人に対する自分の想いを、お花にのせて届けることに大きな意味があるとされています。

 

今回は、なぜ仏花を供えるようになったのかという由来から、お花を生けるための仏具である「花立」について、仏花に関する情報を幅広く解説していきます。花立のおすすめ商品もご紹介していますので、ぜひご参考にしてみてください。

1.お仏壇に花を供える由来と意味

お花をお仏壇に供えるようになった由来は、「お釈迦様が前世で修行している最中に仏様に会い、お花を供えた」という逸話にあるとされています。この逸話がやがて、ご先祖様や故人が眠るお墓やお仏壇などにお花を供える慣わしにつながったと考えられています。

 

お仏壇にお花を供えることの一つには、故人を想う気持ちを伝えるという意味があると言われています。故人が好きだったお花を飾り、手を合わせてお参りすることで、在りし日の姿を思い出し、対話をしているような気持ちになることもあるでしょう。

 

また、花のように美しい心でお参りすることや、命短い花を通して、命の尊さや生きていることに感謝するという意味合いも含まれているのかもしれません。厳しい環境に耐えて咲き誇る花の様子に、修行を耐え抜き悟りを開く人間の姿を重ね合わせて、仏様に修行の誓いを立てるという意味もあるとされています。

2.お花の飾り方と注意点

お仏壇にお花を供える際の飾り方や、お花の選び方のポイントをご説明します。

2-1.お花を供える位置

お花を生けるための花立は、お仏壇に供える三つの大切な仏具である「三具足」の一つであり、それらの配置は、向かって左に花立、真ん中に香炉、右に火立が基本となります。

花立を対で飾る場合には左右の端に配置し、それぞれに同じ花、同じ本数を挿すのが一般的です。またお花は、お参りする方に向けて飾ります。

 

ただし仏花の飾り方については、地域や宗派などによっては異なる場合がありますので、菩提寺*や地元の仏壇・仏具専門店などに、あらかじめ確認しておくと安心です。

*先祖代々のお墓がある寺院

2-2.お仏壇に合わせた花立の選び方

花立は、お仏壇の大きさに合わせて、お花を生けた時の高さを意識してサイズを選びましょう。全体のバランスに違和感がないよう、花立だけではなく仏具セット(具足)で揃えることをおすすめします。

 

一方で、お仏壇は小さいけれど、お花をたくさん飾りたいという方もいるかと思います。その場合は、花立を単品で購入できる仏具シリーズもありますので、追加して揃えてもよいでしょう。大きなお花は、お仏壇の前に机や棚を置き、その上に飾っても問題ありません。

 

花立の素材には、金属、陶器、ガラス、木製など幅広い種類があります。切り花を長持ちさせるために薬剤(延命剤、栄養剤など)を使う際には、金属の腐食につながる成分を含む場合もありますので、ご使用前には必ず注意書きをお確かめください。

2-3.仏花のマナーと注意点

お仏壇に飾るお花の種類に、厳密なルールやマナーはありません。故人が好きだったお花や季節を感じさせるお花などを、心を込めて飾ることが何よりのご供養になります。

 

決まりはないとはいえ、仏花には好ましくないとされているお花については、気になる方も多いと思います。

例えばトゲや毒のある花がタブーとされる理由については、殺生を連想させてしまうからということはもちろんですが、現実的にも、うっかりトゲや毒に触れてしまうことを避けるためでもあります。また香りが強いお花は苦手な方もいらっしゃるかもしれませんし、花粉や花びらが落ちやすい花は、お仏壇が汚れて掃除が大変になる要因にもなります。

 

以上の点を踏まえつつ、一番はご先祖様や故人に対するお気持ちを大切にして仏花を選んでみてください。

2-4.おすすめの花の種類

日持ちのするお花として、キクやカーネーション、トルコキキョウ、スターチス、デンファレなどが挙げられます。

季節のお花として、春はキンセンカやチューリップ、夏はケイトウやグラジオラス、シャクナゲ、ヒマワリ、お盆にはよくハスの花が用いられます。秋はキクやリンドウ、冬は寒ボタン、スイセンなどもおすすめです。

 

生花の頻繁なお手入れが難しい場合は、造花やプリザーブドフラワーを活用すると、いつでもお仏壇を美しく保つことができます。

3. 花立のおすすめ商品

花立には様々な種類がありますが、その中でもおすすめの仏具シリーズを5つほどご紹介します。

3-1.ひびき

使いやすさとデザイン性を兼ね備えた、ロングセラーの仏具シリーズ。シンプルなフォルムに加え、30色もの豊富なカラーバリエーションがあるので、どなたにもお気に入りが見つかるはずです。

 

この花立には、お花の量に応じて、その都度まっすぐに安定して生けられるよう、2種類のアタッチメント(水板)が付属されています。大きさは3種類あり、高さはそれぞれ85mm、97mm、114mm。花立を含む一部の仏具は、単品販売もしています。
 

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3-2.奏

縦のラインが美しい仏具シリーズ。個性的なデザインながらも柔らかな雰囲気のため、現代のお仏壇やお部屋の空間にも馴染みます。本体のカラーバリエーションは8色、上部のリングも金消し、銀消しから選ぶことができるので、組み合わせの選択肢が豊富です。

 

花立の高さは90mm。こちらも2種類のアタッチメント(水板)が付属しているので、生けるお花の量に応じて、口の大きさを調節することができます。花立を含む一部の仏具は、単品販売もしています。
 

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3-3.kasanari

輪が積み重なったようなデザインが特徴の仏具シリーズで、花立の高さは94mm。こちらも2種類のアタッチメント(水板)が付属しているので、生けるお花の量に応じて、口の大きさを調節することができます。

 

パールホワイト、パールブラウン、グロスグレーの3色があり、それぞれが異なる工程を経ながら、職人の手作業によって仕上げられています。単品での販売はなく、六具足のセット販売となります。
 

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3-4.isi

デザイナー小泉誠氏による錫製の仏具シリーズ。錫には、酸化しにくく錆びにくいという特性があり、美しい色合いや光沢を保ちながら、長くお使いいただけます。花立の高さは80mm。錫には抗菌作用があるため、生花が長持ちするというメリットもあります。

 

花立を含む仏具は全て単品販売もしていますが、自然の石をイメージしたデザインの世界観をより感じていただくため、セットでのご購入がおすすめです。
 

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3-5. 重目

オーソドックスなデザインを、現代風にアレンジして使いやすくした「重目」シリーズ。花立は胴部分を膨らませ、お花に必要な水がしっかり入るように設計したことで、重心が低く倒れにくい形になりました。

 

2.5寸から5.5寸までの7種類の大きさが揃うため、お仏壇のサイズに合わせてお選びいただけます。花立を含む仏具は全て、単品販売もしています。
 

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4.まとめ

今回はお仏壇にお花を供える際の、お花や花立の選び方や飾り方についてご紹介しました。

仏花について厳密な決まりごとはありませんので、基本的には故人の好きだったお花や、季節のお花などを、故人への想いを込めてお供えするとよいでしょう。

地域によっては、その土地の風習や昔ながらの考え方を重んじる場合もありますので、気になることがある場合は、お寺や地元の仏壇・仏具専門店などに確認しておくと安心です。

 

お花は、ご先祖様や故人をご供養すると同時に、お参りする人々の心にもうるおいや安らぎを与えてくれます。そのお花を生ける花立は特に大切な仏具ですので、ご購入の際は、確かな知識のある専門店に気軽に相談してみましょう。

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